アルマイト
2016/05/23
硫酸アルマイトと蓚酸アルマイト

〈目次〉
①アルマイトとは
②電解液の違い
③皮膜の硬さ
④電圧の条件の違い
①アルマイトとは
アルマイトとは、アルミニウム素地を電気化学反応させることで、
人工的に酸化皮膜を生成させる表面処理です。
作り方は、電解液中でアルミニウムを陽極で電解して
アルミニウムの酸化被膜を成長させます。
今回はその中で代表的な硫酸アルマイトと蓚酸アルマイト
について説明したいと思います。
②電解液の違い
希硫酸や蓚酸は多孔質膜を生成することで
代表的な電解液です。
生成する多孔質膜をミクロ的にみると、下図のような
構造になっています(ケラーモデル)
このモデルは硫酸でも蓚酸でも同じ考え方です。
バリアー層部分でアルミニウムの溶解酸化が連続的に
行われて、被膜が成長して行きます。
③被膜の硬さ
被膜の硬さとは、上記のような多孔質の皮膜の硬さを
測っているので、生成物そのものの硬さではなく
構造強度を測っています。
硫酸電解と蓚酸電解では電解電圧が違うので
バリアー層の厚さが異なるため電解電圧の高い蓚酸の方が
多孔質層の壁が厚くなり硬度が高いのです。
④電圧の条件の違い
硫酸アルマイトと蓚酸アルマイトの電圧を違いを
代表的な電解条件として挙げておきます。
硫酸浴・・・10~30V程度
蓚酸浴・・・20~120V程度
当社では、硫酸アルマイトに関して、普通アルマイト、硬質アルマイトを御提案しております。
当社独自で開発を行ったウルトラハードについては、蓚酸アルマイトをベースとし、発展させた処理方法となります。