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アルマイト
2016/05/23

アルマイトの原理について

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1.アルマイトとは
2.アルマイトの特徴

 

①アルマイトとは

アルマイトとは、アルミニウム素地を電気化学反応させることで、

人工的に酸化皮膜を生成させる表面処理です。

アルミは金属の中でも柔らかく、さらには活性な金属のため、腐食(=酸化)します。

その特性を補うため、アルマイトが活用されています。

アルマイト皮膜はセラミックの一種であることから硬度が高く、

既に酸化されていることから耐食性に優れるものとなります。

 

②アルマイトの特徴

1)アルミ素地より硬度が高い

材質やアルマイト処理の種類にもよりますが、

素地:80Hv → 硬質アルマイト皮膜:350Hv
(一般的なA6063の素材に硬質アルマイト処理を行った場合)

といったように遥かに硬度が上がります。

2)腐食に強い

アルマイト皮膜は酸化皮膜です。

そのため、アルマイト皮膜上に対し、さらに腐食が進むことは基本的にありません。

※アルマイト品で腐食する」といった事例は、
 浸蝕や不均一なアルマイト処理により、
 アルミ素地が露出してしまっていることから発生してしまう事例が多いです。
 特にダイカスト品ではアルマイト皮膜が生成しづらい特性があるため、
 塩水噴霧試験や複合腐食試験などで耐食性を確認することがあります。

3)電気を通さない

アルマイト皮膜は絶縁皮膜です。

ここがアルミ素地との大きな違いで、

アルマイト皮膜が剥がれているか確認する際、通電有無で判断をすることが出来ます。

4)着色や薬液の含浸が可能

アルマイト皮膜には「ポア」と呼ばれる小さな孔が発生します。

ポアは吸水性を有していることから、染料を含浸させる「カラーアルマイト」や、

その他 薬液を含浸させる処理が可能です。

 

③アルマイト処理の仕組み

アルマイト皮膜は「アルミ製品を電解液中で電気を流す」ことで生成されます。


    図:電解処理工程イメージ

 ・アルマイトを行う製品にはプラスの電流を流します。
・液中にマイナスの電流を流し通電させます。
・これにより、電気分解が起こり、アルミが酸化され、酸化皮膜が生成されます。
・分子構造としては、アルミ素地の溶解と、アルミ酸化皮膜の生成が同時に起こり、
 素地溶解1:酸化皮膜生成2(例外有り)の比率で化学反応が起こります。
 (そのため、アルマイト品については、アルマイト前後の寸法変動を予測し加工設計を行う必要があります)

日本伸管のアルマイトを見る

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