2006年4月17日。東京都板橋区にある国立極地研究所で、報道関係者向けにある貴重なものが公開されました。 それは、約72万年前の南極の氷でした。
国立極地研究所の「南極氷床深層掘削計画」は、地球規模での地殻機構や環境変動のメカニズムを解明するために立ち上げられた壮大なプロジェクトで、掘削された氷床コア中の大気成分などから、長期的な気候変動などを解明し、将来の変動予測にも活用するという、人類の未来に大きく関わりのあるものです。
96年には、すでに地下2503メートル、約32万年前の氷を採取していましたが、さらに深く、古い氷を採掘するために、日本伸管が独自に製造した外管が採用されました。
4,700ミリメートルの長さに対して曲がりが0.3ミリメートルという、一般的なアルミパイプの引抜に比べ15倍の精度を実現。軽量化されながらも強度が高まったことで、より早く、より深くまで掘削することが可能になったことで、南極3,028.52メートルから氷床コアを採取することが可能になりました。
日本伸管独自の特殊な引抜設備。金型のノウハウ。高強度のアルミ合金。そして日本伸管が誇る優秀な技術者の情熱が、プロジェクトの達成を支えました。