長年の技術の結晶が生み出した「ウルトラハード」はシュウ酸法をベースに開発した独自技術です。
特殊な電解液によって生成されたアルマイト皮膜は、硬質アルマイト処理よりさらに性能を高めることが出来ます。
硬度が高く、摺動性に優れる皮膜となっており、
輸送、精密機器部品など、お客様の幅広いニーズにお応えすることをお約束します。
1)Hv500程度を誇る超硬質皮膜(表1)
2)硬質アルマイト処理と比較し、クラックの発生を抑制する
①表面粗さが悪くなりづらい
②高い耐磨耗性を有する
(ステンレスの約5倍を誇る耐摩耗性能(表1、表2))
③耐電圧性(=絶縁性)を持たせることが出来る
(耐電圧は硬質アルマイト処理の2倍以上(表1))
3)耐食性の向上(表1)
4)自然発色で金色に近い色に仕上がる
(特に純アルミ系、5000系)
有機系混酸を用い、電解液温度を常温とすることで、アルミとアルマイト被膜(Al2O3)における熱膨張係数の違いから生じるクラックを抑えることができます。
材質 | アルマイトの 種類 | 膜厚 (μm) | 硬度 (Hv) | 被摩耗量 (mg) ※1 | 耐食性 CASS (RN) | 耐電性 AC(kV) | 体積抵抗 (Ωcm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
99.99%Al | ウルトラハード | 52.9 | 502 | 0.0020 | 9.3-4 | 2.6~3.4 | 25.3×1010 |
硬質アルマイト処理 | 52.5 | 408 | 0.0037 | 8.0-3 | 0.6~0.84 | 20.4×1010 | |
A5052 | ウルトラハード | 53.6 | 480 | 0.0033 | 9.8-2 | 2.1~3.3 | 7.65×1010 |
硬質アルマイト処理 | 52.8 | 420 | 0.0040 | 9.8-3 | 1.0~1.5 | 1.01×1010 | |
A6063 | ウルトラハード | 51.0 | 480 | 0.0023 | 9.8-3 | 2.0~3.4 | 5.59×1010 |
硬質アルマイト処理 | 52.3 | 416 | 0.0042 | 9.0-2 | 1.4~1.7 | 1.72×1010 |
※1:平面摩耗試験により荷重400gで1500回までの被摩耗量を測定し、1回あたりの重量減を算出
材質 | 被摩耗量(mg) |
---|---|
A5056(ウルトラハード) | 0.010 |
SUS303(ステンレス材) | 0.056 |
平面磨耗試験により加重2kg、1回の被磨耗量を測定
1)空圧シリンダー
ウルトラハードの特徴を最大限に活かせる製品となります。
硬度が高く、耐摩耗性に優れることから、シリンダーの寿命を延ばすことができます。
また、表面粗さが悪くなりづらい処理のため、ピストンとの摺動抵抗を減らし、相手部品の寿命を延ばすことにも繋げられます。
2)ベアリングケース(リテーナー)
シリンダー同様、摺動品の寿命を延ばすことに貢献出来ます。
軽量化目的で鉄から切替を行われた際、強度不足を補うため、
ウルトラハードが採用されています。
3)基盤
高出力の電気装置向けに、放熱基盤としての用途があります。
アルミの熱伝導性・放熱性、ウルトラハードの絶縁性を活かし、
プリント基板、LED用基盤、自動車電装基盤として、高出力の特殊用途基盤として用いることが出来ます。