連鋳圧延棒について
当社の連鋳圧延棒 製造ラインについてご紹介いたします。
<目次>
1.連続鋳造圧延棒について
2.工程
3.押出材との比較
1.連続鋳造圧延棒について
1)連続鋳造圧延棒とは
鋳造から圧延まで連結した工程で作り出された生産性の高いコイルを使い、弊社の抽伸機にて連続的に直棒にした製品です。
鋳造後圧延されているため、鋳造品につきものの“す”の問題が解消されました。
さらにコイルを使うことにより連続的に引抜を行う事が可能となり、コストメリットのある直棒を創り出すことができました。
2)対応可能材質
製造実績は、A2017、A5056、A6061、A6063、A7075がございます。
もちろん、上記以外の材質も対応可能です。
3)対応可能サイズ
対応可能なサイズはφ15~φ25です。
2.連続鋳造圧延棒の工程
1)鋳造から圧延、コイルまで
溶融した材料を鋳型に流し込み凝固、圧延しコイルで巻き取られていきます。
生産スピードは600m/分。押出の生産スピードが2~3m/分に対し高い生産性を有します。
2) コイルから直棒まで
当社でコイルからの引抜により直棒にしていきます。
まずコイルの先端を細くし(口打ち)ダイスに通します。ダイスに通した先端を掴んで引き抜いていきます。
ある程度の長さまで引っ張ったところで後端を切ります。
この時コイル側の先端はすでにダイスに通っているため、口打ちする必要がありません。そのため次々と連続して引抜きを行うことができます。
素管からの引抜ですと素管1本1本口打ちした後、1本引き終わったら次の素管をダイスにセットしなければならないのと比較して工程数が少なく済みます。
そのため連続鋳造圧延棒では高いコストメリットを実現しました。
3.押出材との比較
以下項目ごとに違いをご紹介致します。
■化学成分
炉中で所定の成分にするため優位な差はありません。
■生産性
押出では各段階で工程が途切れるため再加熱の必要性があります。また押出スピードは遅く生産性は低くなっています。連続鋳造圧延剤では鋳造から粗引線まで工程が連結しており、生産スピードが速く高い生産性が得られます。又再加熱の必要性がありません。
■製品歩留り
押出材では工程毎にロスが発生します。連続鋳造圧延材で発生するロスは工程の流しはじめと終わりのみで、歩留りが高くなっています。
■断面形状
押出材ではダイスにより様々な断面形状に対応可能です。連続鋳造圧延材では丸型が主体で異形のものは困難となっています。
■サイズ
押出材では径が小さい程生産性が極端に悪くなりますが、あらゆるサイズで対応が可能です。
連続鋳造圧延材では弊社ではφ15~φ25まで対応可能です。市場ではφ32以下のものまでが対応可能となっています。
■金属組織
押出材では工程間でのバラツキが大きいため、金属組織や強度のバラツキが発生しやすくなっています。
連続鋳造圧延材では溶融から製品まで生産が連続しており、ラインの管理がしやすく、金属組織は均一です。組織は急冷・凝固しているため押出材より微細となっています。
■メタルフロー
押出材では押出の初めから終わりまで均一ではなく、しかもデットゾーンが形成されやすくなっています。
連続鋳造圧延材では鋳造品とは違い3方向からよく鍛錬されているため、優位さがあります。連続工程のためメタルフローが均一で、デットゾーンが全く形成されません。
こちらに詳細事例を紹介しております。