引抜技術について
引き抜き技術についてご案内いたします。
<目次>
1.引抜とは
2.引抜工程
3.引抜油
1)引き抜きとは
素材を金型に通し先端を引き抜くことで、素材が型にならって塑性変形されていく加工方法のことです。押出と違い加工は常温で行われます。
2)引抜管の製造工程
①素材
まず素材は仕上り寸法よりも少し大きなものを用意します。ただ大きければ良いというものではなく、断面減少率や工程数を考慮し適切なサイズが選ばれます。
弊社で使用する素材は各社押出メーカーのものにご対応可能です。
②口打ち
素材の先端が金型に通るよう先を潰します。この潰した先端部分が引き抜き時の掴み部分となります。
③引抜
金型に通した素材の先端を引っ張り、塑性変形させます。弊社では主に引抜にてパイプを製造しておりますが、その際使用する金型は以下2つです。
・ダイス:外径の形状・寸法を規定する金型です。
・プラグ:内径の形状・寸法を規定する金型です。
この引抜により押出材よりも高い寸法精度のパイプを製造することができます。
また押出では製造していない小径のものまでご対応できます。
④矯正
ロール矯正又はプレス矯正にてパイプの曲がりを取ります。
JIS規格内はもちろん南極掘削プロジェクトで使われたパイプでは長さ4700mmに対し曲がり0.3mmというJIS規格のおよそ15倍の要求精度に応えることができました。
⑤切断
ご要望の長さに切断致します。
⑥洗浄
引き抜き時についた油や切粉を自動洗浄機にて落とします。
⑦各種加工
当社にて旋盤加工、マシニング加工、プレス加工、曲げ加工、溶接等
社内にて各種加工を行っております。
⑧検査
⑨梱包
⑩出荷
3)引抜油
引抜において使用する油は非常に重要な要素となります。
ダイスと製品の潤滑油として使用しますが、
引抜くサイズや断面減少率、要求仕様によって使う油の種類を変えています。
又同じ製品でも夏と冬で使う油の種類を変えています。
油の選定がうまく行われていないと、ダイスと製品が擦れ焼き付きという線上にキズが
発生したり、表面肌が荒れてしまうという問題が起こります。
非常に重要な要素となっています。
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