アルマイト
2016/06/10
B1・B2アルマイトとは

1.B1B2アルマイトについて
2.アルマイト仕様表
アルマイトの仕様について、「B1アルマイト」「B2アルマイト」という用語が使われることがあります。
しかし、現在のJIS仕様では「B○○」という品質仕様の規定はありません。
では、何故B1・B2という用語が使われているのでしょうか。
下記にご説明いたします。
■B1・B2アルマイトについて
現在のアルマイトJIS等級では、AA〇〇と表現されますが、
B1・B2アルマイトと図面表記されることが多々あります。
これは過去のJIS規格で適用されていた表現のためです。
下記の表をみますと1952年と1955年のJIS H8601の規格の際に使われていた等級で
あることが分かります。
JIS H8601の過去のアルマイト種別をまとめてみましたのでご参考ください。
■1952年・1955年 JIS H8601 仕様表
主な変更点 | 年数 | 等級 | 種別記号 | 仕様規格 | ||
電解液 | 種別記号 | 皮膜厚さ | ||||
1952 | A2 | しゅう酸 | 6μ以上 | |||
A1 | 9μ以上 | |||||
A特 | 14μ以上 | |||||
B2 | 硫酸 | 6μ以上 | ||||
B1 | 9μ以上 | |||||
B特 | 14μ以上 | |||||
電解液にクロム酸追加。塗装下地用の等級を追加 | 1955 | A3 | しゅう酸 | 塗装下地用 | ||
A2 | 6μ以上 | |||||
A1 | 9μ以上 | |||||
A特 | 14μ以上 | |||||
B3 | 硫酸 | 塗装下地用 | ||||
B2 | 6μ以上 | |||||
B1 | 9μ以上 | |||||
B特 | 14μ以上 | |||||
C | クロム酸 | 塗装下地用 | ||||
等級がなくなり、各項目別に細かく分類・組み合わせ可能となる | 1968 | |||||
O | しゅう酸 | 6 | 6μ以上 | |||
S | 硫酸 | 9 | 9μ以上 | |||
C | クロム酸 | 14 | 14μ以上 | |||
*1 | 混酸 | 20 | 20μ以上 | |||
25 | 25μ以上 | |||||
封孔処理による分類を追加。被膜厚さ30μ以上を追加。耐摩耗性試験の種類を増加 | 1974 | |||||
O | しゅう酸 | 6 | 6μ以上 | |||
S | 硫酸 | 9 | 9μ以上 | |||
C | クロム酸 | 14 | 14μ以上 | |||
*1 | 混酸 | 20 | 20μ以上 | |||
25 | 25μ以上 | |||||
30 | 30μ以上 | |||||
等級による分類に戻る。 電解液の区別を廃止。耐汚染性の規格を追加。 | 1992 | |||||
AA3 | 電解液の規定無し | 3μ以上 | ||||
AA6 | 6μ以上 | |||||
AA10 | 10μ以上 | |||||
AA15 | 15μ以上 | |||||
AA20 | 20μ以上 | |||||
AA25 | 25μ以上 |
※混酸の記号は主体となる酸の記号+混合した酸の記号を組み合わせ表記します。
※レイティングナンバ=腐食面積と有効面積との割合によって、腐食の程度を表す評点のことです。
※キャス試験=促進腐食試験の一つです。キャス試験では酸性試験液を使用します。
※当表では比較のため、膜厚を中心に紹介していますが、
その他の仕様も現在のJISと異なる部分がありますので、ご注意願います。
当社では普通アルマイトの技術区分にて、B1B2アルマイト処理に対応しております。
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