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資料集
2016/11/28

熱伝導率とは

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一般的にアルミニウムは「熱伝導率の高い金属」と言われ、冷やすためのアルミ容器や、温めるためのアルミ鍋など、日用品にも多く使われています。
そもそも「熱伝導率」とは何でしょうか。このページで概略を解説いたします。

 

①熱伝導率とは

「熱伝導」とは、『物質の移動無しに、熱が高温から低温へ運ばれる現象』の事です。
高温部分の活発な分子運動の働きが、低温部分側へ伝わることによって起こります。

この熱移動(=熱伝導)のしやすさを数値化したものが「熱伝導率」です。

熱伝導率の単位は「W/m・K」で表され、この値が大きいほど、熱伝導性が高くなります。
※「W/m・℃」で表されることもあります。
温度のゼロ基準が異なるだけですので、値は同じとなります。

②材質別の熱伝導率

具体的に、どの材質がどの位の熱伝導率を有するのでしょうか。
代表的な材質・値を下記にまとめました。

※こちらの値は参考値となります。考察・研究への引用はされませぬ様、お願い申し上げます。

材質熱伝導率(単位:W/m・k)
ダイヤモンド 1000~2000
420
398
320
アルミニウム(純アルミ) 236
真鍮 106
ニッケル 91
67
チタン 17
ステンレス(SUS304) 16
ガラス 1
0.6
木材 0.2
空気 0.024

基本的に金属は熱伝導率が高い傾向にありますが、このようにアルミニウムは金属の中でも優れた熱伝導性を持っています。

③アルミの合金別熱伝導率

「アルミニウム=236W/m・K」は、純アルミの熱伝導率の値ですが、世の中のアルミニウムの大半は、様々な元素が添加されたアルミニウム合金として使われています。
合金種類によって、熱伝導性に違いが生じます。
また、アルミニウムの熱処理条件(=調質)によっても差が出てきます。

アルミニウムの合金別・調質別の熱伝導率の値については別ページに記載していますので、こちらを御覧下さい。

アルミの合金別・調質別の熱伝導率を見る

④放熱部品への活用

高い熱伝導率を有する材質は、放熱材として活用をされます。
放熱性を高めるためには、形状も大きな要素となります。

例として発熱体を金属ヒートシンクを伝え、大気や冷媒に熱を逃がす構造でご説明いたします。

放熱部品構造図

図のような、左の発熱体の熱を、右の大気・冷媒に逃がす際、放熱性に3つの要素が特に大きな影響があります。

①発熱体⇔ヒートシンクとの密着性(固体⇔固体の熱伝導)
発熱体から効率よく熱を逃がすには、ヒートシンクとの間に空気の層を作らないことが重要です。

②ヒートシンクの厚み(一個の物質間の熱伝導)
ヒートシンクが厚いと、その分反対側に熱が伝わる時間が長くなります。

③ヒートシンクの表面積(固体⇔気体・液体の熱伝導)
発熱体から熱が伝わり、熱を持ったヒートシンクを冷却するためには、ヒートシンクと大気・冷媒の触れる面積を増やすことで効率を上げることが出来ます。

これらの形状要素からヒートシンクは、発熱体との接合面の平面度精度を高めたり、薄肉にしたり、フィンの多い形状にしたりなど、様々な工夫を施されます。

日本伸管では、熱交換器向けのアルミパイプや、
ヒートシンク・モーターケース用放熱フィン付きアルミ部品の製造を行っております。
代表的な部品の写真を載せておりますので、是非ご覧下さい。

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