おかげさまで50周年。アルミの引き抜きもアルミの加工もアルマイト処理も。 アルミパイプのことならおまかせください。

TOP > ブログ > アルミニウムの各種表面処理
2017/12/26

アルミニウムの各種表面処理

ブログ

 

目次
1.表面処理の種類
2.各種表面処理

資料ダウンロード

1.表面処理の種類

 

アルミニウムの表面処理には様々な種類があります。

アルミ材で良く使われる表面処理を下記にまとめてみました。

 

■アルマイト処理

・普通アルマイト、硬質アルマイト、超硬質アルマイト処理

・封孔処理

・カラーアルマイト(染色法)

・二次電解着色

 

■化成処理

・アロジン(アルサーフ)

 

■メッキ各種

・ニッケルめっき

・ニッケルクロムめっき

・無電解ニッケルめっき

・亜鉛メッキ

 

■塗装

・電着塗装

 

■その他表面処理、研磨

・ブラスト

・バレル研磨

・バフ研磨

・電解研磨

・化学研磨

 

 

2.各種表面処理

 

それぞれの表面処理についてご説明致します。

 

■アルマイト処理とそれに付随する処理

・アルマイト処理

電気分解を利用して人工的に酸化被膜を生成するためのものになります。

大気中でも酸化被膜は形成されていますが、その膜厚は0.002μmと非常に薄く使用環境によっては

腐食してしまいます。

十分な膜厚を得るために人口的な酸化処理が行われます。

対象物が陽極で酸化されることから陽極酸化処理(アルマイト)と呼ばれています。

普通アルマイトですと6μm以上が一般的です。

さらに電解液と電流時間を変えることで膜厚を厚くしたり、硬度を高めることができます。

耐摩耗性が必要なシリンダー材や外観部品に使用されるものの多くはアルマイト処理が施されています。

耐食性、硬度、耐摩耗性の向上の他に絶縁性を持つことも特徴の1つとなります。

 

・封孔処理

アルマイト後にできた表面の微細孔を閉じる処理になります。

この微細な孔は化学的に活性のため、酸素や他の化学物質と反応しやすい状態にあります。

そのため放っておくと腐食や変色してしまいます。又物理吸着性も高くゴミや油などが入りこみやすくなっています。

これら問題を解決するためにアルマイト処理後は一般的に封孔処理が行われます。

水和反応時の体積膨張利用して孔をふさぐ方法や、ニッケル化合物で孔を閉じる方法などがあります。

 

・カラーアルマイト(染色法)

アルマイト処理後にあいた無数の孔に染料を入れることで着色しています。

染料によって様々な色を出すことができます。

中でも黒アルマイトについては厚い膜厚が必要になるため、処理がかかり他の色よりも価格は高くなります。膜が薄いと孔に入る染料の層も薄くなるため、色が薄くなります。

 

・二次電解着色

アルマイト処理(一次電解)後に二度目の電解処理を行うことで着色していることから二次電解着色とよばれています。

一次電解で被膜を生成後、金属塩を溶解した液中で電気分解を行うと孔の底部に金属化合物が析出し着色されます。金属化合物の色が着色される色になります。

染色法と比べると耐食性、耐久性が優れており屋外でも脱色しにくいため建材関連に使用されています。

電解処理を重ねるごとに三次電解、四次電解となります。

 

■化成処理

化学的にアルミニウム表面に酸化皮膜を生成させる方法を化成処理と呼んでいます。

化成処理の種類はいくつかございますが、アルミニウム合金にはアロジン処理が行われます。

アルマイト処理と異なり生成される膜厚は0.1μm程となり、耐食性、耐摩耗性は劣ります。

ただし、電解する必要がなく化成処理の工程も短時間で済むため、処理コストが安いという特徴があります。アルマイト処理ほど耐食性や耐摩耗性を必要としない製品の保護膜として利用されます。

又、塗装との密着性も優れるため塗装の下地処理にも使用されています。

処理後も導電性が得られることもアルマイト処理とは異なる点です。

 

■めっき

めっきは材料の表面に他の金属を析出させることで、材料を金属皮膜で覆う表面処理になります。

アルマイト処理がアルミ材料の表面そのものを酸化させ保護する事に対し、めっきは材料とは異なる金属皮膜を覆う処理になります。

めっきの種類には大きく分けて以下2つになります。

・電解めっき

電気分解の酸化還元反応を利用した処理になります。

陽極側では酸化反応が起こり金属イオンが溶け出します。その金属イオンを陰極側で受け取り還元反応で金属が析出していきます。

アルマイト処理が陽極側で酸化させ皮膜を形成することに対し、めっきは陰極側の還元反応で

材料表面に金属を析出させています。

析出した金属が表面を覆いめっき処理となります。

 

・無電解めっき

電気めっきと原理は同じですが電気を使わず、溶液中に含まれる還元剤の作用で被めっき物に金属を析出させています。

通電を必要としないため素材の形状や種類にかかわらず均一な厚みの皮膜が得られます。

又、電気を通さないプラスチックなどにもめっきが可能になります。

ただし皮膜は薄く、表現できる色も少なくなります。

 

■塗装

塗装は樹脂皮膜をスプレーガンやはけなどで表面に付着させる処理になります。

めっきが金属原子同士の金属結合に対し、塗装は樹脂皮膜の付着になります。

スプレーやはけの他に電着塗装があります。

・電着塗装

溶液中で電気を流すことで伝導性のある塗料を被覆物に電着させる処理になります。

通常の塗装と比べ均一な塗膜を形成することができます。

資料ダウンロード