はめあい公差について

はめ合い公差
1.はめ合い公差とは
2.はめあい公差の種類
3.はめあい方式
4.はめあいの表記方法
1.はめ合い公差とは
はめあいとは「軸と穴の組み合わせ」の事です。
軸と穴のはめあい度合いを示したものを はめ合い公差と呼びます。
軸と穴の関係には「しめしろ」と「すきま」という言葉が出てきます。
しめしろとは: 軸>穴 のとき、両方の直径の差をしめしろと呼びます。
すきまとは:文字通り 軸<穴 のとき、両方の直径の差をすきまと呼びます。
はめあいには上記「すきま」と「しめしろ」の関係から以下3種類に分類されます。
2.はめあい公差の種類
以下3つの種類がございます。
簡単に概略だけ示すと以下の関係になります。
■しまりばめ 径が 軸<穴 のとき
■すきまばめ 径が 軸>穴 のとき
■中間ばめ 径が 軸>穴 or 軸<穴 のとき
各意味の詳細についてご紹介致します。
■ しまりばめ(軸>穴)
穴の最大許容寸法より軸の最小許容寸法が大きい場合(等しい場合も含む)のはめあいです。
常に穴と軸の間にしめしろがある状態です。
公差の関係から以下2種類の状態に分類できます。
・最大しめしろ= 軸の最大許容寸法 - 穴の最小許容寸法
・最小しめしろ= 軸の最小許容寸法 - 穴の最大許容寸法
■すきまばめ(軸<穴)
穴の最小許容寸法よりも軸の最大許容寸法が小さい場合(等しい場合も含む)のはめあいです。穴と軸の間に必ずすきまがある状態です。
公差の関係から以下2種類の状態に分類できます。
・最小すきま:穴の最小許容寸法 - 軸の最大許容寸法
・最大すきま:穴の最大許容寸法 - 軸の最小許容寸法
■中間ばめ
穴の最小許容寸法より軸の最大許容寸法が大きく、かつ穴の最大許容寸法よりも
軸の最小許容寸法が小さい場合のはめあいです。
穴と軸の実寸法によって、しめしろができたり、すきまができたりします。
3.はめあい方式
■はめあい方式には穴と軸のどちらを基準とするかによって下記2種類に分かれます。
・穴基準:いろいろな公差を持った軸とひとつの公差域クラスの穴を組み合わせることで、
必要なすきま、しめしろを得るはめ合い方式です。
・軸基準:いろいろな公差を持った穴とひとつの公差域クラスの軸を組み合わせることで、
必要なすきま、しめしろを得るはめ合い方式です。
ここで、はめあいの公差クラスを表す際にアルファベットが使用されます。
穴基準の場合はアルファベットの大文字
軸基準の場合はアルファベットの小文字
が使用されます。
アルファベットの文字にはAからZCまでの28種類あります。
穴基準の場合は穴径が大きい順にAから始まります。
基準寸法と一致するのがHです。基準寸法と一致して分かりやすいためHが良く使われています。H以降は基準寸法よりも穴が小さくなります。
軸基準の場合は
軸径が小さい順にaから始まります。hで基準寸法と一致します。
はめ合い方式は穴基準と軸基準どちらにするかは対象の特性と設計者の意図によって選択されます。
一般には穴より軸の方が加工や計測が容易であるため、穴基準のはめ合い方式が多く採用されるようです。
4.はめあいの表記方法はめあい表記の例をご紹介します。
例えば、「φ50 H8」と表記された場合は以下の意味を示します。
φ50:穴の直径
H :穴の公差域
8 :等級
H8の公差はJISに定められている「はめあい公差表」で調べられます。
公差表は多岐にわたる為ここでは省かせて頂きます。
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