アルミニウムの種類

アルミニウムの種類

種類 合金番号 調質 熱伝導(25℃) KW/(m.℃)
1000系 A1050 ○ 0.23
H18 0.23
A1070 ○ 0.23
H18 0.23
A1100 ○ 0.22
H19 0.22
2000系 A2011 T3 0.15
T8 0.17
A2014 ○ 0.19
T4 0.13
T6 0.15
A2017 ○ 0.19
T4 0.13
A2024 ○ 0.19
T3,T4 0.12
T6,T81 0.15
A2618 T6 0.15
3000系 A3003 ○ 0.19
H18 0.15
4000系 A4032 ○ 0.15
T6 0.14
5000系 A5052 平均 0.14
A5056 ○ 0.12
H38 0.11
A5083 ○ 0.12
6000系 A6061 ○ 0.18
T4 0.15
T6 0.17
A6N01 ○ 0.21
T5 0.19
T6 0.19
A6063 ○ 0.22
T5 0.21
H6 0.20
7000系 A7075 T6 0.13

アルミ合金番号とは

アルミニウム合金番号は先頭にアルミニウムを表すAが付きます。
その次は4桁の数字からなり(日本独自の合金は2桁目がNとなる;例 7N01)合金番号を表します。

1桁目は純アルミニウムは数字の1、アルミニウム合金については2~9までの合金系の区分となります。
2桁目は基本合金は0とし、最後の2桁の数字は純アルミ系はアルミニウムの純度を表します。(1070;純度99.70%、1050;純度99.50%)

2000番系以降の合金は旧アルコアの呼び方を原則として付け、日本独自の合金については制定順に01から99までの番号で表されます。

展伸用合金

展伸用合金は、板・条・箔・管・棒・線およびリベットに使われる展伸加工性の優れた合金で、鍛造品もこれに含まれます。
引抜加工は展伸材を用いる加工のため、当社では展伸材を多く取り扱っています。
※調質につきましては、下記に詳細説明を記載しています。

また、「A6063TDS-T83」、「A6061SS-T6」等、加工方法の後に「S」が付く場合があります。
これは、「JIS特殊級に準拠している」ことを示す記号となりますが、JIS特殊級準拠品であっても「S」をつけないケースもあります。

A5056TD-H34

鋳造用合金

鋳造用合金は、鋳物・ダイカストに使われる合金です。溶解させて加工されるため、素材はインゴット形状がほとんどです。

AC4C

アルミニウムの特性(種類別)

1000系アルミニウム(純アルミニウム)

代表的なものは1050(純度99.5%)以上、1100、1200(純度99.0%以上)です。
微量のFeとSiを特性に応じて調整したアルミニウムで、加工性・耐食性・溶接性・電気や熱の伝導性などに優れています。
ただし、強度が低いため反射板・装飾品・各種容器・送配電材・放熱材などに使用されています。

2000系アルミニウム(Al - Cu 系合金)

代表的なものはジュラルミンや超ジュラルミンの名称で知られる2017や2024合金でCu3.5〜4.9%、 Mg0.4〜1.8%を含み、機械的性質や切削性に優れています。
なお厳しい腐食環境下で使用する場合は耐食性のよい純アルミニウム、またはアルミ合金板で被覆して用いることがあります。
航空機用材、輸送機器、機械部品、その他構造用などに多用されています。

3000系アルミニウム(Al - Mn 系合金)

代表的なものは3003、3004合金(Mn1〜1.5%、後者はMgも0.5〜1.3%含む)です。
このシリーズの合金は、純アルミニウムのもつ耐食性を低下させずに強度を高くしたものです。
アルミ缶などの容器をはじめ、日用品、住宅外装など、幅広い用途で利用されています。

4000系アルミニウム(Al - Si 系合金)

建築用パネルなどに用いられる4043合金(Si4.5〜6%)がありますが、この合金系は融点が低いという特長を生かして溶加材やろう材としても多用されます。
なお鍛造ピストンなどに使用される4032(Si11〜13.5%)は熱処理型の合金で、耐摩耗性の高い合金として活用されます。

5000系アルミニウム(Al - Mg 系合金)

代表的な合金はA5052(Mg2.2~2.8%)、A5056(Mg4.5~5.6)です。マグネシウムを多く含んでいるので耐食性、強度が向上する合金です。
耐食性・表面処理性・溶接性に優れており、船舶、車輌等の部材に多く使用されます。
また表面処理性(アルマイト性)が良く、装飾品(カメラレンズ鏡筒等)にも使用されます。
切削性が良く、成形性や溶接性も比較的良いです。曲げ加工や切削加工がしやすい合金です。

6000系(Al - Mg - Si 系合金)

代表的なものは6061、6063合金(Mg0.45〜0.9%、Si0.2〜0.6%)です。
6061合金は銅を微量添加して強度を高くしたもので、各種の構造材に用いられます。
6063合金はMg、Siの量が6061合金に比べ少なく、銅を加えていないので6061合金より強度は小さいが押出加工性に優れており、押出形材として建築用サッシなどに多量に使用されています。

7000系(Al - Zn - Mg 系合金)

Al - Zn - Mg - Cu 系の高力合金と Al - Zn - Mg 系の溶接構造用合金の2系統があります。
Al - Zn - Mg - Cu 系の7075合金(Zn5.1〜6.1%、Mg2.1〜2.9%、Cu1.2〜2%)は超ジュラルミンとして日本で開発されたもので、アルミ合金の中でも再考の強度を持ち、航空機関係の他、スポーツ用具類や金型用などに利用されています。

また、Al - Zn - Mg 系合金は、強度が比較的高く、熱処理可能な溶接構造用材として開発された合金で7003、7N01合金(Zn4〜5%、Mg1〜2%)が代表的なものです。
新幹線をはじめとする車両用構造材などの各種構造材として広く使用されています。

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調質

熱処理合金と非熱処理合金

アルミ合金は主要添加物元素の種類により、『熱処理合金』と『非熱処理合金』に分類されます。

熱処理合金
2000シリーズ、6000シリーズ、7000シリーズ
焼き入れ、焼き戻しなどの熱処理により、さらに高い強度を得られる合金です。
非熱処理合金
1000シリーズ、3000シリーズ、4000シリーズ、5000シリーズ
熱処理では軟化し、冷間加工(圧延・引抜・鍛造など)により強度を得る合金です。

調質の基本記号

F 製造のままのもの
O 焼きなまししたもの
H 加工硬化させたもの
※一般的に非熱処理合金に用いられる調質ですが、熱処理合金に用いることもあります。
引抜材では、「引きっぱなし(後工程での熱処理無し)」の意味で用いられます。
W 溶体化処理(=焼き入れ)したもの
T 熱処理によってF、O、H以外にしたもの
※一般的に熱処理合金に用いられる調質です

『H』の詳細(細分記号)

H1○ 加工硬化だけのもの
※引抜では『H』とだけの表記の場合もあります
H2○ 加工硬化後、適度な軟化熱処理をしたもの
※柔らかくすることを目的とした熱処理を行ったものです
H3○ 加工硬化後、安定化熱処理をしたもの
※引抜では、H1○の状態では残留応力(=歪み)が発生します
それを取り除く熱処理を安定化処理と言います
H4○ 加工硬化後、塗装したもの
※焼付塗装など、部分的に焼きなまされたりした材料に用いられます

※末尾の○について
○は強度(引っ張り強さ)を表す数値です。
8が一番強く、4は『O』と8の中間、2は『O』と4の中間といった、割合で表現をされます。
例外として、「8より引っ張り強さが10N/mm^2を超えるもの」として9と表記することがあります。

 

『T』の詳細(細分記号)

2000,6000,7000系の調質フローチャート
T1 高温加工から冷却後、自然時効させたもの
※当社の扱う材料で言うと、押出直後の状態です
T2 高温加工から冷却後、冷間加工を行い、さらに自然時効させたもの
※T1の押出材を引き抜いた状態です
T3 溶体化処理後、冷間加工を行い、さらに自然時効させたもの
※T4の押出材を引き抜いた状態です
T4 溶体化処理後、自然時効させたもの
※焼き入れしたものです。押出・引抜どちらにも用いられます
T5 高温加工から冷却後、人工時効硬化処理したもの
※押出→焼き戻ししたものです
T6 溶体化処理後、人工時効硬化処理したもの
※焼き入れ→焼き戻ししたものです。押出・引抜どちらにも用いられます
T7 溶体化処理後、安定化処理したもの
T8 溶体化処理後、冷間加工を行い、さらに人工時効硬化処理したもの
※T4の押出材を引抜、焼き戻しをしたものです
T9 溶体化処理後、人工時効硬化処理を行い、さらに冷間加工したもの
※T6の押出材を引き抜いたものです
T10 高温加工から冷却後、冷間加工を行い、さらに人工時効硬化処理したもの
※T1の押出材を引抜、焼き戻しをしたものです

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